WSL でインストールした Linux を利用する際、Windows 標準のターミナルではカスタマイズ製が低く右クリックもまともに使えないなど非常に使いにくい。WSL を常用するのであれば他のコンソールアプリケーションをインストールしたほうが良い。
WSL を利用するためのターミナルソフトウェアはいくつかあるが、自分は現在 wsl-terminal を利用している。
GitHub - goreliu/wsl-terminal: Terminal emulator for Windows Subsystem for Linux (WSL)
zip もしくは 7zip ファイルをダウンロードして適当なところ(NTFSなドライブでないとダメっぽい)に展開して open-wsl.exe を実行しよう。
実行した場所をカレントディレクトリとして WSL が起動する。初回起動時には同ディレクトリに wsl-terminal というショートカットファイルが生成されるのでそれを利用しても良い。
wsl-terminal 起動時のディレクトリを変更する
標準では open-wsl.exe を実行したディレクトリでターミナルが起動する。多くの場合それでは不便だろう。
open-wsl.exe にオプションとして -l を渡すとホームディレクトリが、-C PATH を渡すと PATH でターミナルが実行される。
こんな感じでショートカットファイルを作成して起動オプションを渡すと良い。
Windows 側のパスを指定する場合にはこの下にある「作業ディレクトリ」で開きたい場所を指定しても良い。
起動するシェルを bash から zsh や fish へ変更する
起動するシェルを変更する方法はいくつかある。
1つ目は open-wsl.exe を実行した時に生成されるショートカットファイルを開き、リンク先にある SHELL を指定している部分を変更する方法。
C:\wsl-terminal\bin\mintty.exe --wsl --rootfs=// --configdir "C:\wsl-terminal\etc" -i "C:\wsl-terminal\open-wsl.exe" -o AppID=wsl-terminal -t " " -e /bin/wslbridge -e SHELL="/bin/bash" -e LANG -t /bin/bash
/bin/bash と指定されているところを /bin/zsh とすると zsh が起動する。
もう一つは wsl-terminal のフォルダにある etc/wsl-terminal.conf で設定する方法。例えば以下のようにすると zsh がデフォルトシェルとして起動される。
[config]
title=" "
;shell=/bin/bash
;shell=/bin/bash --login
shell=/bin/zsh
etc/wsl-terminal.conf ファイルで設定を行うと open-wsl.exe を起動したときにも読み込まれるので bash を利用する気が無いなら conf ファイルに書き込むと良い。
Windows の右クリックメニューに wsl-terminal を追加する
wsl-terminal/tools にある各種 js ファイルを実行すると Windows に対して様々な操作ができる。右クリックメニューに wsl-terminal を追加するには「1-add-open-wsl-terminal-here-menu.js」ファイルを実行する。
そうするとフォルダを右クリックした際のコンテキストメニューに「Open wsl-terminal Here」という項目が現れ、クリックするとその場所で WSL が開かれる。
コンテキストメニューから削除する場合も同様に wsl-terminal/tools にある「1-remove-open-wsl-terminal-here-menu.js」を実行するだけだ。
wsl-terminal のテーマや透過、フォントなどの見た目を変更する
wsl-terminal ウインドウ左上のアイコンもしくはターミナル内を右クリックして「オプション」を開くと「外観」という項目がある。
この項目ではテーマを適用して色を変更したり、透明度を設定してウインドウを透過させる事が可能だ。テーマは数がとても多く選ぶのが大変なほどだ。
「テキスト」の項目ではフォントを変更できる。
個人的なオススメは Myrica だ。プログラム用に作成されたフォントで文字が見やすく、日本語にも対応している。
プログラミングフォント Myrica / Estable | Myrica (ミリカ)は、フリーなプログラミング用 TrueType フォントです。
wsl-terminal で利用できるショートカットキー
wsl-terminal ではいくつかのショートカットキーが用意されており、使いこなすことでより便利になる。
Alt+Enter | フルスクリーンモードの切り替え |
---|---|
Alt+F2 | 新たなターミナルを開く |
Alt+F3 | 文字列の検索 |
Ctrl+Tab | ターミナル間の切り替え、Shift も押すと逆順になる |
Ctrl+- + = | 文字サイズの拡大縮小 |
Ctrl クリック | URL やパスを開く |
Ctrl 右クリック | コンテキストメニューを開く |
Ctrl 右クリックで開かれるコンテキストメニューは通常の右クリックとは少し異なり、Ctrl を押したほうがより高機能となっている。
まとめ
Windows Subsystem for Linux を利用するのであれば標準のターミナルではなく、wsl-terminal を利用するとより効率よく便利に扱う事ができる。WSL を常用するなら入れとくと良さそうだ。
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